The reigning champions open at No. 1 in the NBA App Power Rankings 😤
— NBA (@NBA) 2025年10月20日
See where John Schuhmann ranks all 30 teams heading into @AmericanExpress NBA Tip-Off on Tuesday, October 21!
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2025-26シーズン開幕前、NBA.comが発表したパワーランキング。 30チームの序列は、各チームのオフシーズンの動きや戦力分析をもとに決められました。
あれから約4か月。オールスターブレイクを迎えた今、「期待」と「現実」の間には想像以上のギャップが生まれています。前評判を大きく覆したチームもあれば、予想通りの強さを見せるチームも。
この記事では、開幕前のパワーランキングと現在の勝率ベースの全体順位を比較し、予想を最も上回った5チームを紹介します。何が変わり、誰が飛躍したのか。データとともに振り返りましょう。
期待を超えた5チーム
開幕前のパワーランキングと、勝率で並べた現在の全体順位とのギャップを算出しました。最も大きく予想を超えて飛躍した 5チームがこちらです。
| チーム | PR順位 | 現在順位 | ギャップ | 成績 | 勝率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ボストン・セルティックス | 19位 | 4位 | ▲+15 | 35-19 | .648 |
| フェニックス・サンズ | 25位 | 12位 | ▲+13 | 32-23 | .582 |
| サンアントニオ・スパーズ | 15位 | 3位 | ▲+12 | 38-16 | .704 |
| デトロイト・ピストンズ | 11位 | 1位 | ▲+10 | 40-13 | .755 |
| トロント・ラプターズ | 20位 | 11位 | ▲+9 | 32-23 | .582 |
ここからは、それぞれのチームの躍進の理由を見ていきます。
ボストン・セルティックス(PR 19位 → 現在4位、▲+15)
Boston's backcourt was ELECTRIC in their road win ☘️
— NBA (@NBA) 2026年2月5日
Derrick White: 28 PTS, 8 AST, 6 3PM
Payton Pritchard: 27 PTS, 7 AST, 5 3PM pic.twitter.com/GhwusL5wX2
2025年5月、プレーオフ中にエースのジェイソン・テイタムが右アキレス腱を断裂。そこからオフシーズンにかけて、クリスタプス・ポルジンギス、ジュルー・ホリデー、アル・ホーフォードらが相次いで退団し、昨季の得点力の46%にあたる4,415得点分のプロダクションを失いました*1。
多くのメディアが「ギャップイヤー」を予想し、パワーランキング19位は妥当な判断に見えたでしょう。
現実は正反対でした。ジェイレン・ブラウンが平均29.3得点・6.9リバウンド・4.7アシストと、いずれも自己最高を上回るペースを記録。得点ランキングでもリーグ上位に名を連ねています。オールスタースターターにも選出され、MVP候補として名前が挙がるほどの活躍ぶりです。
ブラウンだけではありません。デリック・ホワイトはチーム最高のプラスマイナス+381を記録し、ペイトン・プリチャードも自己最高の平均17.2得点を叩き出しています。
若手の台頭も見逃せないポイントです。ルーキーのウーゴ・ゴンザレスはシーズン序盤から出場機会をつかみ、49試合に出場。ディフェンス面で早くも信頼を勝ち取っています*2。
ジョー・マズーラHCはロスターの大幅な入れ替えの中で、昨季のオールスターブレイク時点を上回るオフェンシブレーティングを実現。コーチ・オブ・ザ・イヤーの有力候補に挙がるのも、納得の手腕と言えるでしょう。
フェニックス・サンズ(PR 25位 → 現在12位、▲+13)
"He just has a way with connecting with the players and putting us in positions to succeed."
— Phoenix Suns (@Suns) 2026年1月12日
🗣️ Book & Royce on Ott's coaching leadership@MountainAmerica | #SunsUp pic.twitter.com/mw7jwk336J
1試合平均10.1スティール*3。この一つの数字が、サンズの変貌を鮮やかに映し出しています。
ケビン・デュラントのトレード、ブラッドリー・ビールのバイアウト。2025年夏に主力2人を手放し、パワーランキング25位まで評価を落としたサンズでしたが、新HCジョーダン・オットが就任初日から掲げた「ディフェンスとフィジカルの文化」がチームの空気を一変させました*4。
メディアから「OKC/トロント型」とも評されるプレッシング型のディフェンスは*5、相手のポゼッション時間を削り、タイミングを崩す戦術です。昨季リーグワースト4位だったディフェンシブレーティングが約5〜6ポイント改善されたことが、その効果を裏付けています。
オフェンスの中心はデビン・ブッカー。平均25.2得点・6.3アシストでチームを牽引し、5度目のオールスターに選出されました。HCオットが「リーグで10年近く過ごしてきた中で最高のゲームマネジメント能力」と評するブッカーの司令塔ぶりが、チームの中心として攻撃をまとめ上げています。
攻守の要として存在感を放つのがディロン・ブルックス。自己最高の平均21.2得点を叩き出しながら、オソ・イゴダロやライアン・ダンら若手にフィジカルな守り方を叩き込む「文化の体現者」でもあります*6。
シーズン途中からスターターに定着したコリン・ギレスピーも平均13.3得点・4.7アシスト・1.4スティールとチームに欠かせない存在へ成長しました。「スター頼み」から「チーム一丸」への転換が、+13というサプライズを生み出しました。
サンアントニオ・スパーズ(PR 15位 → 現在3位、▲+12)
It's a Spurs takeover at All-Star Weekend 🤩@Ledger | #sponsored pic.twitter.com/zAlMPlas6G
— San Antonio Spurs (@spurs) 2026年2月13日
フランチャイズ史上初の開幕5連勝*7。通算78勝168敗だった過去3シーズンの面影はどこにもありません。
3年目のウェンバンヤマは平均24.4得点・11.1リバウンド・2.7ブロックを記録し、DPOY(最優秀守備選手賞)の最有力候補に挙がっています。オールスターでは西カンファレンスのスターターにも選出されました。リムプロテクションだけでなく、ペリメーターからリムまでコート全域をカバーできる守備範囲の広さが、スパーズのディフェンスを根底から変えています。
オフェンスに新たな風を吹き込んだのは、2025年2月にサクラメント・キングスから加入したディアロン・フォックスです。スピードとダウンヒルプレッシャーがウェンバンヤマとのコンビネーションで噛み合い、クラッチタイムは12勝3敗という勝負強さを見せています。代替選手としてオールスターにも選ばれました。
忘れてはならないのが2年目のステフォン・キャッスルでしょう。平均16.5得点・7.0アシストとプレーメイカーとして大きく成長し、西カンファレンスの週間MVPも受賞しました。
ポポヴィッチの退任後、ミッチ・ジョンソンHCが率いる新体制のもとで、6年ぶりのプレーオフ復帰はほぼ確実です。
デトロイト・ピストンズ(PR 11位 → 現在1位、▲+10)
🏎️ 40-13 record.
— NBA (@NBA) 2026年2月15日
🏎️ No. 1 in the East.
For the first time since 2006-07, the Detroit Pistons head into the All-Star break sitting atop the East!
Watch Cade Cunningham and Jalen Duren in this year's NBA All-Star Game Sunday at 5pm/et on NBC & Peacock 🌟 pic.twitter.com/JZikGbgD0R
わずか2年前、NBA史上ワーストの28連敗を喫したチームが、今やリーグ全体の首位に立っています。40勝13敗。デトロイト・ピストンズのこの成績は、近年のNBAで最も劇的な再建ストーリーと呼べるかもしれません。
その中心にいるのがケイド・カニングハムです。平均25.3得点・9.6アシスト・5.6リバウンドでMVP候補に急浮上し、10〜11月にはイースタン・カンファレンス月間最優秀選手を初受賞。オールスターでも東のスターターに選ばれ、アレン・アイバーソン以来のピストンズからのスターター選出となりました。
チームの守備を形作るのは、JB・ビッカースタッフHCが掲げる"Rough and Rugged(荒々しくタフ)"な哲学です。12月にはアイザイア・スチュワートが、1月にはアサー・トンプソンが、それぞれイーストのディフェンシブ・プレイヤー・オブ・ザ・マンスに選出されました。特に1月はリーグ1位のディフェンシブレーティング104.8を記録しています。
カニングハムの圧倒的な攻撃力を軸に、チーム全員で守り抜くスタイルが確立されたことが、この躍進につながっています。
10月29日から11月26日にかけて達成した13連勝は、1989-90年と2003-04年の優勝チームに並ぶフランチャイズ記録*8。パワーランキングでもWeek 15でオクラホマシティ・サンダーを抜き、No.1の座を手にしました*9。
28連敗からの逆転劇は、「何が起こるか分からない」というNBAの醍醐味そのものでしょう。
トロント・ラプターズ(PR 20位 → 現在11位、▲+9)
TORONTO TURNAROUND: The Toronto Raptors’ turnaround season hit another milestone yesterday as Brandon Ingram earned his second NBA All-Star selection. In the U.S. vs. World format, Ingram (USA Stripes) will square off against Raptors teammate Scottie Barnes (USA Stars) and head… pic.twitter.com/GfEWlLTV9H
— NBA (@NBA) 2026年2月11日
スコッティ・バーンズは紛れもないフランチャイズスターです。2025-26シーズンのラプターズを語るうえで、この結論は動きようがありません。
平均19.3得点・8.4リバウンド・5.6アシストに加え、1.6ブロックと1.3スティール。スティールとブロックを合わせた「ストック」ではリーグトップの数字を叩き出し、DPOY級の守備力でオールスターにも選出されました*10。
攻守両面でチームを引っ張るバーンズの存在が、ラプターズ躍進の土台です。
オフェンスの幅を広げたのがブランドン・イングラムでしょう。チームトップの平均21.8得点で、55試合中53試合に出場する安定した稼働率を見せています。ステフィン・カリーの欠場を受けてオールスターの代替にも選ばれました。
バーンズとイングラムを含め、平均17得点以上の選手が4人並ぶスコアリングの層の厚さは、昨季30勝52敗のチームとは別物です。
ダルコ・ラヤコビッチHCの「0.5オフェンス」も浸透してきました。ボールを持った全選手が0.5秒で判断を下すこの戦術哲学により、アイソレーションが減り、ボールムーブメントが活性化しています。
ただし、トップ10チームに対しては4勝13敗と壁に直面しているのも事実*11。この壁を打ち破れるかどうかが、シーズン後半の最大のテーマとなるはずです。
全30チームのランキング表
開幕前のパワーランキングと現在の順位を全30チーム分まとめました(▲予想以上/▼予想以下/→ほぼ予想通り)。
| 順位 | チーム | 成績 | 勝率 | PR | ギャップ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | デトロイト・ピストンズ | 40-13 | .755 | 11 | ▲+10 |
| 2 | オクラホマシティ・サンダー | 42-14 | .750 | 1 | →-1 |
| 3 | サンアントニオ・スパーズ | 38-16 | .704 | 15 | ▲+12 |
| 4 | ボストン・セルティックス | 35-19 | .648 | 19 | ▲+15 |
| 5 | ニューヨーク・ニックス | 35-20 | .636 | 4 | →-1 |
| 6 | デンバー・ナゲッツ | 35-20 | .636 | 2 | ▼-4 |
| 7 | ヒューストン・ロケッツ | 33-20 | .623 | 7 | → 0 |
| 8 | クリーブランド・キャバリアーズ | 34-21 | .618 | 3 | ▼-5 |
| 9 | ロサンゼルス・レイカーズ | 33-21 | .611 | 10 | →+1 |
| 10 | ミネソタ・ティンバーウルブズ | 34-22 | .607 | 5 | ▼-5 |
| 11 | トロント・ラプターズ | 32-23 | .582 | 20 | ▲+9 |
| 12 | フェニックス・サンズ | 32-23 | .582 | 25 | ▲+13 |
| 13 | フィラデルフィア・セブンティシクサーズ | 30-24 | .556 | 18 | ▲+5 |
| 14 | オーランド・マジック | 28-25 | .528 | 9 | ▼-5 |
| 15 | ゴールデンステイト・ウォリアーズ | 29-26 | .527 | 8 | ▼-7 |
| 16 | マイアミ・ヒート | 29-27 | .518 | 21 | ▲+5 |
| 17 | ポートランド・トレイルブレイザーズ | 27-29 | .482 | 22 | ▲+5 |
| 18 | ロサンゼルス・クリッパーズ | 26-28 | .481 | 6 | ▼-12 |
| 19 | シャーロット・ホーネッツ | 26-29 | .473 | 27 | ▲+8 |
| 20 | アトランタ・ホークス | 26-30 | .464 | 12 | ▼-8 |
| 21 | シカゴ・ブルズ | 24-31 | .436 | 23 | →+2 |
| 22 | ミルウォーキー・バックス | 23-30 | .434 | 14 | ▼-8 |
| 23 | メンフィス・グリズリーズ | 20-33 | .377 | 16 | ▼-7 |
| 24 | ダラス・マーベリックス | 19-35 | .352 | 13 | ▼-11 |
| 25 | ユタ・ジャズ | 18-38 | .321 | 30 | ▲+5 |
| 26 | ブルックリン・ネッツ | 15-38 | .283 | 29 | ▲+3 |
| 27 | インディアナ・ペイサーズ | 15-40 | .273 | 17 | ▼-10 |
| 28 | ニューオーリンズ・ペリカンズ | 15-41 | .268 | 24 | ▼-4 |
| 29 | ワシントン・ウィザーズ | 14-39 | .264 | 28 | →-1 |
| 30 | サクラメント・キングス | 12-44 | .214 | 26 | ▼-4 |
※順位は勝率ベースの全体ランキング。PR=開幕前パワーランキング順位。
おわりに
ここまで、開幕前パワーランキングの予想を大きく超えた5チームを取り上げてきました。いずれにも共通するのは、個人の飛躍とチームの方向性がかみ合ったこと。コーチングの力、若手の成長、そして新戦力の融合が重なり、シーズン前には想像できなかった景色が広がっています。
ランキング表に目を向ければ、期待通りの活躍を見せるチームも存在します。オクラホマシティ・サンダー(PR 1位 → 現在2位、ギャップ-1)はシェイ・ギルジャス=アレクサンダーがMVP最有力候補として君臨し、開幕前の評価に違わぬ強さを見せています。ニューヨーク・ニックス(PR 4位 → 現在5位、ギャップ-1)もほぼ予想通りの位置で安定感を発揮しています。
予想に届かなかったチームについては今回深くは触れませんが、プレーオフに向けてこの勢力図がどう変わっていくのか。引き続き追いかけていきたいと思います。
*1:"Boston lost a total of 8,749 minutes and 4,415 points -- 46 percent of their total scoring output" - NBC Sports Boston
*2:"Boston's defensive rating plummets to a team-best 103 with Gonzalez on the court, or 11.7 points per 100 possessions better than the team's season average" - NBC Sports Boston
*3:"Through the month of November ahead of games played on Dec. 1, the Suns rank No. 1 in the NBA with 10.6 steals per game" - Valley of the Suns
*4:"Defensively they just play hard every night" - Steve Kerr, ClutchPoints
*5:"Phoenix is a trapping, pressing defensive team now in the Oklahoma City/Toronto mold" - NBC Sports
*6:"Brooks takes it upon himself to push Ryan Dunn and Oso Ighodaro into being elite defensive players" - Arizona Sports
*7:"San Antonio defeated Miami 107-101 and set a franchise record by opening the season 5-0" - NBA.com
*8:"Detroit's current 13-game streak ties a mark the franchise has set twice previously. The other streaks came in the 1989-90 and 2003-04 seasons, and the Pistons went on to win the title in both years" - SI.com
*9:"Pistons power past Thunder for No. 1" - NBA.com
*10:"Leading the league in total stocks (steals plus blocks), Barnes has been everything everywhere all at once for the Raptors' seventh-ranked defense... the biggest takeaway from Toronto's season is that Barnes is an undeniable franchise star" - theScore
*11:"rough 4-13 record against the league's 10 best teams" - Yahoo News Canada